人気ブログランキング | 話題のタグを見る

下手の横好き語学学習日記


by telescopio

ガイドブック遍歴

ガイドブック遍歴_d0018759_027566.jpg「地球の歩き方」のダイヤモンド社の新シリーズ「aruco」
昭文社の「ことりっぷ」シリーズに似た、小ぶりで可愛らしい、はっきりと女性を対象にしたつくり。
しかしそこは、歩き方。
第1回配本は、台北、パリ、ソウルと、このサイズのガイドブックとして判りやすい旅先だったけれど、第2回はいきなり、インドとトルコ。
インド?!
中身を見ると、当然全土を網羅できるはずもなく、基本は北部の有名どころ。そりゃそうだ。
初回の台北、パリ、ソウルに関して言えば、内容は「地球の歩き方MOOK」に近く、ショッピングネタ(ただしブランドではなくローカル色を感じる雑貨等)や食べ歩きネタが中心。
違うシリーズとはいえ、海外取材を伴うわけで、このご時勢、一度に済ませてることも多いと推察する。
ガイドブック遍歴_d0018759_0344214.jpgその意味では、これも同じダイヤモンド社の「地球の歩き方GEM STONE」のシリーズで『イスタンブール路地裏散歩』も最近出たので、同時取材か?とか思ったり。
ただ、このイスタンブールの方はかなり良い感じで、見たらすごく欲しくなった。
このシリーズはガイドブックと紀行文の間くらいの感じで、ひとつ間違うと、これだけで旅行するには情報がたりず、かといって読み物としては文章が散漫という、「帯に短したすきに流し」になってしまうんだけど、今回のイスタンブールは良い意味で両方の間だと思う。ちゃんと通して読みたいし、イスタンブールに行くなら持って行きたい。



で、ガイドブック。
私が初めて海外に行ったのは94年。
その頃あった海外旅行向けのガイドブックで、今もあるシリーズは、実に「地球の歩き方」だけである。
(うんとマイナーなのはあるかもしれないが...あ「るるぶ」は当時からあったかも)
「歩き方」だって、編集方針とかターゲットにする層とか、いろんな部分で変わってきていて、同じなのは名前だけかもしれないけど、とにかく名前も基本的な装丁も変わっていない。これは大きい。
私が初海外旅行に向けて買ったのは、昭文社の「エアリアガイド」というポケット版のシリーズ。
当時から「地図は昭文社」と思っていて、今でも昭文社信仰(笑)は基本的に変わっていないんだけど、今見るとこのシリーズの地図は、それほどよくないかも(笑)。
この頃は、ポケット版のシリーズがけっこう多くて、他に「JTBのポケットガイド」(今ある「ポケットガイド」の前身)、実業之日本社の「ブルーガイド」、名前は忘れたけど近畿日本ツーリストの黄色いカバーのシリーズなどがあった。
この中でブルーガイドはちょっと異色で、初期のものはなんと縦書きだった。海外旅行のガイドブックでそれをやると、非常に大変である。作るほうも読むほうも。あれはなんだったのか。それと基本的に一人の執筆者が全体を書くスタイルだったので、文体が統一されていて読みやすい反面、好みが合わないと全部ダメ、みたいな面があり、ガイドブックとしては微妙だったかも。
当時の大型のガイドブックとしては、歩き方の他に、JTBの「自由自在」という二色刷りのシリーズがあって、各ページの余白にあるメモ欄みたいなのが、いろいろ書き込めて良いという人と、紙の無駄だと言う人がいた(笑)。

その後、ポケット版のシリーズがどんどん減り、大型本が主流になった中で出たのが、昭文社の「個人旅行」
私はこれが好きで家にけっこうたくさんあるし、今でもなくなって残念だと思っている。地図が見やすいのはもちろん、どの巻もフォーマットが一緒なので、どこに何が書いてあるか、買ったばかりでもすぐ判ったのが良かった。
これは一度なくなった後「トラベルストーリー」という基本的に国ではなく街単位のシリーズに変わり、それも結局なくなって、今「新・個人旅行」として復活(?)している...が、何か前のとは違うんだよね~(ワガママ)。新しい超・軽量のはいいなと思うけど、ちょっと湿った指でめくったらオシマイになりそうな紙が、微妙に不安だったり。
あと大型本では、実業之日本社の「わがまま歩き」と、その後の「わがまま歩きツアーズ」が、にぎやかな紙面で出た当時は新鮮だった(私は好まないが)。JTBの「ワールドガイド」シリーズと並び、けっこう長続きしていると思う。
「ワールドガイド」は、たとえば遺跡の解説などはていねいで詳しくて良いのだけど、紙面の構成が、ひとつの記事が縦長になっていて、私には少々読みにくい。

ある時期から、また少しずつ小型化に向かい「地球の歩き方ポケット」なんか、微妙にハンパなサイズながら、小型化の走りの頃かも。
今JTBでは「タビトモ」という、なかなかふざけた紙面のポケット版が出てるけど、これは前回のホーチミンで使ってみたらけっこう良かった。どうもJTBは「ララチッタ」といい「ポケットガイド」といい、るるぶ的にガチャガチャと賑やかすぎるシリーズが多い中(ワールドガイドは比較的地味だが)、タビトモはすっきりしている方だし、情報の整理の仕方が、私の好みに合っている。

「ことりっぷ」
は先に国内版で人気が出たシリーズだったから、台北とか香港とかが出たときは、ちょっとびっくりした。同じシリーズで国内と海外って、あまり例がない現象だよね。
つくりは地味で、なぜか見出しはです・ます調でていねい(「~に乗ってみましょう」みたいな感じ)。軽くて良いけど、変形本なので本棚の収まりが良くないのと、情報的にやや物足りない。紙面の美しさを優先しつつ計量化するには、仕方ないか。
それなりに売れているらしいのは、似たつくりのarucoが出たことからも想像がつく。
私もできれば小型・軽量のものにしたいといつも思っている。よくカバンから出し入れするから、いくら軽くても雑誌サイズは扱いにくいし、重いと肩が凝って観光がつらくなる。
特に近場で一箇所滞在型の香港や台北なんか、出発時点で決まっているホテル情報なんかどうでもいい。今は予約もネットで見比べてできるしね。
だから私的には、ロンプラなんて論外。重い、厚い、しかも白黒で見て楽しくない(笑)。

とかなんとか書いたけど、実際は「歩き方」しかない、ということも多いんだよね...いつもお世話になってる割に、あんまり好きじゃないんだけど。何せ重いから。
by telescopio | 2010-04-06 01:21 | 読書