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下手の横好き語学学習日記


by telescopio

イスラムの笑い

イスラムの笑い_d0018759_23432967.jpgまずは、NHKの新番組というか、新年度の番組のムック。
『新シルクロード』、これ自体は別に新番組じゃないけど、今年のは「激動の大地をゆく」。
取り上げている場所を見ると、イエメン、サウジアラビアといったアラビア半島の国あり、キルギス、ウズベキスタン等中央アジアの国あり、ペルシャあり、トルコあり...ものすごくアンテナに触れます。これは番組が楽しみ。第1回の放送は4月15日。「炎と十字架 ~南コーカサス」だそうです。
このムックの写真で見る限りは、サウジのジェッダが意外に雰囲気がありそう。
去年からサウジアラビアは観光ビザの規制を緩めてるし、いつかは行けるかも?
今のところ個人旅行は4人以上のグループなら可能と、まるでリビアみたいな話だけど、それでも大きな一歩。
国際情勢に弱いので根拠に乏しいのだが、勝手にあの国の将来は安泰ではないと思っているので、行けるなら早く行きたい。

イスラムの笑い_d0018759_23595724.jpg続いて、文庫になった『世界のイスラムジョーク集』
イスラム世界には、ノクタという小噺てきな笑い話がたくさんあるのだが、私が今までに聞いた範囲では、えーと、あんまり面白くない(^_^;)。
笑いのポイントがずれているというより、彼らの笑いの沸点が低いような気がしてしまう。ものによっては「それで笑えってか!」とか思う。
この本に入っているのは、比較的笑えるものが多いけど、それでも例えば、自殺しようと線路に座っている男がパンを持っているので、何のためにパンを?と訊くと「電車はいつくるか判らないから、その前に餓死しないように」と答えた、なんて話、面白いですか?(-_-;)聞く前にオチが判る。直球過ぎてなんのひねりもない。こういうのが多いと思う。
それでも、この本を読んでみると、けっこう色っぽいジョークもあり、イスラム世界でこんなのいいの?と思うような浮気系のネタも多い。庶民の考えてることって、どこもそう違わないのかも...。




宗教系のジョークが多いのもちょっと意外。それって、ネタにしていいんですか。
そして宗教ネタの系列で、むしろ反米ジョークに分類されそうな話もよく出てくる。
そういえば『世界反米ジョーク集』というのも同じ著者の本だが、これはけっこう笑えた。ただ、この手のものって、正面から非難できない相手を、笑いものにして溜飲を下げてるわけで、本当はそれで済ませちゃいけないんじゃないかな、という気はする。笑ってガス抜きできるうちはいいけど。
それと、意外だったのは、イランにトルコを笑いものにする系統のジョークが多いということ。
現在のイランとトルコの関係は、確かにかなり微妙なものがあるけれども、歴史的にはどうだったのか。
オスマントルコはアラブ世界の大半を支配下に収めたけれど、ペルシャ世界まではねじ伏せられなかったし、中世イスラム世界の優れた文化というのは、担い手はほとんどがペルシャ人で、アラブ系ではない。もちろんトルコでもない。イランの人は、そこらへんにプライドがあるのかもしれない。
それにしても、トルコネタのジョークは、けっこうキツい。
トルコ人から手榴弾を投げられたらどうするか?→ピンを抜いて投げ返す、なんてのは、笑っていいのか迷う。

ところで本筋からズレるけど、この本の中で、イスラム世界で長らくコカコーラがボイコットされていたことに触れ、その理由はコカコーラにユダヤ資本が入っているから、としている。
私も、かつてのアラビア語の先生からそう聞いていた。
しかし、少し前にヨルダンでお世話になった一家のお姉さんから、その理由について、全然違う説を聞いた。
ただの偶然と言うか、考えすぎというか、もしかしたらこじつけのような気もするんだけど...少し調べてから、機会があったら、また書きます。

ここから雑談。
先日イエメンに超短期で行ったのだが、いや~、ヤマニ(イエメン人)は本当に人が良かった。驚いた。
そして例によって、旅先で会った人たちから、そろそろメールが届き始めた。
しかし...ごめんなさい、判らない。
誰が誰だか。
みんな似たような名前なんだもん!ムハンマドって、どのムハンマドさ!
しかも内容が簡素すぎて、全然手がかりがない!
今回特に、私の方でも請われるままにメールアドレスを乱発したきらいがあり、深く反省。
なんか今回、意味不明なことがけっこうあって。
サナアでツアーを扱ってるお店にいたら、入ってきたシリア人に「シリアに来なさい」といきなり電話番号を渡され「必ず私を訪ねるように。判ったね」と言われたとか。しかもその人は、相撲取りのような体格の歯医者で、これから中国に行くと言っていた。ワケが判らない。
帰りのサナアの空港では、イエメン人に「あなたはムスリムか」と声をかけられ、スカーフしてたんで「これはお国の習慣を尊重しているだけで、私は仏教徒です」と言ったら「いいや、あなたの心はムスリムだ。なぜ正式に入信しないのか」と熱心に入信を勧められ...(^_^;)。
”イスラムに帰依すれば心の平安が得られる”と言うけれど、豚肉とビールを一生あきらめて、どんな平安があるって言うんだ!...とも言えず(笑)。
まあそんなわけで、誰だか判らず、うかつに返信もできないのよね。はてさて。
by telescopio | 2007-03-29 00:34 | 読書