下手の横好き語学学習日記


by telescopio

カテゴリ:読書(洋書)( 14 )

マサイ

d0018759_10181819.jpgこの本は、ダル・エス・サラームの空港で買った。
ダル・エス・サラームというのは、なんとも時間のつぶせない空港で、首都(正式にはドドマに移転しているが)の空港としては、かなり微妙。どこか似た感じの空港はというと、そうだなぁ、サナアなんかいい線かも。一応免税店はあるし(免税品は、キューバの葉巻とタンザニアの紅茶くらい)、飲食店もあった分、ヌアクショットよりはいいけど。
前回書いたように、持って行った文庫本がイマイチで、往路のドバイで買ったペーバーバックは読み終えたしまったし、でも乗り継ぎ時間はたっぷりあるし...ということで、売店にあった数少ない本の中から、これを選んでみた。まあヒマつぶしにはなるかな、と。

これは著者の体験に基づく実話で、原著はドイツ語である。著者コリンヌ・ホフマンはスイス人。
コリンヌは、ボーイフレンドと行ったケニアで、一人のマサイに一目ぼれし、ほとんど彼のことを知らないまま、そして共通の言語も持たないまま(彼女もマサイも英語はほんのカタコト)彼に恋焦がれ、スイスに戻ってボーイフレンドと別れ、仕事もやめてケニアに戻る。
この時点で、はい?という感じなんだけど、まあ、そういうことって起きるときは起きるんだろう...少なくとも、起きる人には。

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by telescopio | 2010-10-30 11:09 | 読書(洋書)

洋書2冊

d0018759_1745328.jpgWe don't want to tell you what happens in this book. It is a truly special story and we don't want to spoil it.

・・・ペーパーバック『the other hand』の背表紙の一番上には、こんな風に書いてある。
そしてそれは、次のように続く。
Nevertheless, you need to know enough to buy it so we will just say this:
そしてその内容は「これは二人の女性の物語である。彼女達の人生はある運命的な出会いをし、一方は大変な選択をする。2年後、二人は再会し、そして物語は始まる...」これだけ。
ちょっと興味をそそるよね。
私はこれを、今回の旅行先に向かう途中、例によってドバイの空港で買った。
リゾートでゆっくり読もうと持っていった文庫本があまり面白くなくて、滞在の最後の方で、この本を読み始めた。
最初の一章は、ちょっと乗り切れなくて時間がかかったけど、二章から先は中断する方が大変だった。
二人の女性とは、イギリス人とナイジェリア人。この二人はナイジェリアのビーチで出会い、再開したとき、ナイジェリア女性は難民となり、イギリス人女性の自宅を訪ねていた。
非常につらい話で、私はナイジェリアという国のことを、アフリカにあるという以上は何も知らないのだけど、アフリカならこういうことがあってもおかしくないな、という気がする。
舞台のほとんどはイギリスだけど、これはアフリカで読むには重い。私はやってしまったけども。

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by telescopio | 2010-09-26 18:19 | 読書(洋書)

ウクライナのトラクター

d0018759_093916.jpgまずは前フリだけど、2年前に読んでとても面白かった本『Salmon Fishing In The Yemen』がついに、『イエメンで鮭釣りを』というタイトルで、邦訳が出版された。
私はまだ読んでないけど、少なくとも原書はとっても面白かったので、ぜひ読んでみていただきたい。
ただ、えーと、イエメンについては、そんなに、というかほとんど、描写されてないので、そこを期待して読まないでください。
そういう人は少ないと思いますが。

d0018759_013476.jpgで、こっちが本題。
これまたドバイの空港で表紙買いした『A Short History Of Tractors In Ukranian』。
これはですね、えーと、ハートウォーミングなストーリーで、なんというのかなぁ、家族の物語。
主人公(そして語り手)は、イギリスの地方に暮らす、ウクライナ出身の移民二世の女性で、年齢は40代。
84歳の父が、36歳のウクライナ女性と再婚すると言い出したことから、全てのドラマは始まる。もちろん英国籍目的の、一種の偽装結婚ではあるのだが、父はこの若い女性に夢中。彼女が自分を愛していなくてもかまわない。パスポート目的でもかまわない。彼女のおっぱいは素晴らしい...とか娘に向かって臆面もなく言い始める。おいおい。そして結婚後、ウクライナ女性バレンティナはとんでもなく厄介な女性であることが判る。

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by telescopio | 2009-06-08 00:56 | 読書(洋書)

抗えない遺産

d0018759_1575744.jpg私が洋書を読むようになったきっかけ...と言ったら言い過ぎかもだけど、また何か読もうかな、と思えるようになった最初の本『Salmon Fishing in the Yemen』の著者の第二作『The Irresistible Inheritance of Wilberforce』
表紙の雰囲気が良く似ていたので、あれ?と思って見たら、ちゃんと「サーモンフィッシングの著者」と書いてあった。話はもちろん、全然関係ないんだけど、それだけサーモンフィッシングが売れたってことだろう。日本だと「ベストセラー”○○○”の著者の第二作!」みたいな情報は帯に書くもので、直接表紙に印刷したりはしないんで、ちょっとびっくりしたけど。

で、ウィルバーフォースの抗えない遺産(とカタイ直訳しか思い浮かばないんだけど)。
平たくいうと、仕事一筋で生きてきた男性が、ワインで人生を狂わす話。
こういっちゃうとミもフタもないのだけど。
物語は主人公ウlルバーフォース(というのは苗字だけど、皆彼をそう呼ぶ)の一人称で語られ、2006年から始まり、そこに至る原因へと遡っていく形で、2004年、2003年、2002年と続く。

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by telescopio | 2009-02-08 16:07 | 読書(洋書)

自由。

d0018759_21181718.jpgモロッコ人女性の壮絶な囚われ生活の記録『La prisonniere』の、いってみれば続編...というか、著者マリカが自由の身となり、フランスへ渡ってからの生活について書かれた本『FREEDOM The Story of My Second Life』
『La prisonniere』を非常に興味深く読んだのが昨年12月だったので、年末旅行の経由地ドバイの空港でこの本をみつけたとき、躊躇なく購入。荷物が重かったので、本当は帰りに買いたかったのだけど、過去に「帰りに」と思って買えなかったことがあるので、往路で買ったものの、旅行中は読むことなく、リュックの奥底にしまい、年が明けた帰国後に読み始めた。

前作と違い、これはマリカが一人で書いた本で、各章のテーマに沿って、細切れのモノローグ状になっている。自由の身となった彼女が、何に戸惑い、何を恐れたか。彼女にとって、夫エリックとはどんな存在か。
カフェの洗面所で、手を差し出せば水の出る蛇口に驚き「こんなものを発明している間に、救えた飢餓があったのではないか」と半ば呆れているのは、深刻に餓えた経験のある彼女ならではの感想だろうし(しかしこのセンサー型の蛇口については、閉め忘れ防止がむしろ本来の目的と考えると、逆に蛇口を閉め忘れる人がいることを彼女は思い至らないだろう、という点でまた深いエピソードかも)、制服や権威への恐怖と嫌悪も、経験した人でなければ判らない強さで描かれ、心の傷の深さがうかがえる...20年の監禁生活を送った(しかも無罪で)のだから、その深さはとても他人に理解できるものではないんだけど。

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by telescopio | 2009-01-20 22:06 | 読書(洋書)

壮絶な半生記

d0018759_21554759.jpgモロッコでは発禁処分になった、フランスのベストセラー『La Prisonniere』
『砂漠の囚われ人マリカ』という邦題で、日本語訳も出ていると知ったのは、読み終わってから。すごく面白い本なので、モタモタ辞書を引きつつ読むのではなく、日本語で読めばよかった。何せもとがフランス語の本。英語で読んだところで”原書”じゃないし、自伝ではあるけれど、著者一人で書いたものではなく、チュニジア人の編集者との共同作業で生まれた本なので、”彼女自身が語った言葉”というわけでもない。
そういうわけで、内容そのものを知りたい方には、日本語訳をオススメします。いや、見てないからどんな訳文か知らないけど。

さて、これは実際にあった話である。しかも、著者マリカの祖国モロッコで発禁になっているくらい、政治的にヤバイ内容である。
マリカは、モハメド5世統治下のモロッコで、国王の信頼篤いウフキル将軍の長女として生まれた。5歳のとき、国王から同い年の王女アミナの遊び相手にと、養女に迎えられた。
まだ母親の後を追う年代だったので、実母から引き離された心の傷は深く、宮殿で贅沢な暮らしをしながらも(生家も贅沢な暮らしをしていたが)寂しさを埋めるように、彼女は次第に空想の世界に遊ぶようになり、この習慣が、後に一家を支えることとなる。

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by telescopio | 2008-12-03 23:39 | 読書(洋書)

Leap of Faith

d0018759_2323355.jpgやっと読み終わった...というのが、実は正直な感想。
これ、いつ買ったんだっけ?今年、ドバイの空港で買ったのは確かだけど、よく覚えていない...ま、いつでもいいんだけど、とにかく読み終えるのに時間がかかったのだ。面白いんだけど、難しくて。
このところ読んだ何冊かは、そもそも英語ネイティヴでない人が書いたものだったり、フランス語からの翻訳だったりしたので、そう難しくなかったんだけど、いやはや、さすがにネイティヴが書くと違うものだ。
Had it been for...とか始まる文(そして文末に”?”がない)を見て「if のない仮定法ってやつね」と判るまで、どのくらいかかったか。私の英語力ってこの程度ですわ。
国際政治に関わるコトバも難しいし、偽造パスポートは正しくは forged passport なのね、fake じゃなくて、とか、話す分には意味が通じてるけど、ちゃんとした言い方はそうじゃないのよ、みたいなのがいっぱい出てきて、電子辞書ナシには読めず、家にいるときしか読めなかったのと、何度か仕事の忙しい時期があって中断した(そうすると登場人物が誰が誰だか判らなくなる)のとで、途中挫折しかけたけど、やはり内容が興味深かったので、なんとか読み終えた。
終わり方そのものも感動的だけど、なんちゅーか、達成感アリ(笑)。

『QUEEN NOOR Memoris of an Unexpected Life』
99年に亡くなったヨルダンのフセイン前国王の4人目にして最後の妻、ヌール王妃の自伝。
この人の人生の非凡さは、何といっても、結婚前は普通のアメリカ人だった、というところだろう。

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by telescopio | 2008-11-27 01:04 | 読書(洋書)

”ペルシャの娘”その2

サティが、アメリカで勉強したいと思った、最初のきっかけ...それは、自由の女神。
子どもの頃、父の雑誌でこの像の写真を見た彼女は、これは何?と訊く。そして、自由の像(Statue of Liberty)という名前を知り、そんな名前の像を建てて、国のシンボルにしているって、いったいどんな国?と不思議に思う。
その頃のイラン人にとって、”アメリカ”とは”外国”という以上の意味を持たなかった。ほとんど情報がなく、取り立てて関係もない国だったのだ。
サティは小学校はフランス人の経営する学校に行き、その後アメリカ人の学校へ行った。だから、その学校の先生達が、アメリカのすべてだった。良い人たちだったから、良い印象を持った。でも、留学を考えたとき、兄のいたフランスではなくアメリカを選んだのは、やはり幼少時に見た”自由の像”を、それをシンボルにしている人たちを、自分の目で見てみたい、という思いが大きく働いたせいだった。

サティが子どもの頃のイランは、イギリスとロシアから抑圧されていた。カジャール朝末期の混乱に乗じて、なんとかイランを手に入れようと、この2国がにらみあっていた時代だ。その後、パーレヴィ朝に入って、イランの石油国営化問題(ここで首相のモサデク氏が登場し、後に禍根を残す更迭劇などがおきる)でイギリスはさらに評判を落とし、加えてイギリスは、悪評高い”3枚舌外交”で、パレスチナ地域に今に続く大混乱を引き起こし、ますますイラン人から憎まれることになる。パレスチナはもちろんアラブだけれど、イランとも関係は深く、何より、イスラム同胞の悲劇であったから。
そんな場面で、新しい友達として登場してきたのが、アメリカだった。
何せそれまでほとんど関係なかった国だし、つきあってみるとフレンドリーな人たちだし、ということで、アメリカに対してはイラン人はだいたい好意的だった。最初は。

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by telescopio | 2008-06-24 00:42 | 読書(洋書)

”ペルシャの娘”その1

d0018759_234518.jpg少し前に読み終わったけど、忙しくてなかなか書けずにいた『Daughter of Persia』
GWにイランに行った帰り、またしてもドバイの空港で購入。本当は行きにみつけて買おうかと思ったんだけど、この著者 Sattareh Farman Farmaian という女性は、イラン最後の王朝パーレヴィ王朝の一つ前、カジャール王朝で貴族だった家系で、イスラム革命で亡命した人なので、なんとなくイランに持って入らない方がいいかな、と思い(実際は手荷物検査とかなかったし、持ってても問題なかっただろうけど)帰りまで我慢。残っていて良かった。

これはまた、壮絶な話で...これの前に読んだファラ王妃の自伝と併せて、う~むと唸る感じ。そしてこういう自伝を残せた人の背後に、無念のうちに人生を終えた無数の人がいるんだろうな、と思う。そして、無念も何も、革命があろうがなかろうが、その日を生きるのに精一杯だった人も。

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by telescopio | 2008-06-22 00:13 | 読書(洋書)
ちょっと間があいちゃったけど、イラン最後の王妃、ファラ・パーレヴィの自伝の続き。
大筋は前回書いたので、省略。

一般に、イランと聞くとなんとなく怖いような気分というか、”判りあえそうもない異質な社会”的なイメージを持つ人は多いと思うけど、逆にペルシャといわれれば、シルクロードのロマンみたいな、良い意味での異文化、エキゾチシズムものを感じる人も少なくないだろう。世界史でも、アケメネス朝ペルシャ、ササン朝ペルシャなんて出てきたし、それはイランの栄光の歴史だと思うし、ポジティブに語られることが多い気がする。「ペルシャの市場」なんて曲もある。
最後の王、モハンマド・レザー・シャーも多分そうだったんだと思う。
現代のイスラム国家の大半は、イスラム以前の歴史を「無明時代」といい、精神面での先史時代、未開時代的な扱いをするのが普通(エジプトは例外中の例外)。実際、イスラム以前のアラブ諸国は部族抗争と略奪に明け暮れた社会が多かったらしいし。
しかし、ペルシャにはイスラム以前に偉大な栄光の歴史があった。
ペルシャがイスラムを受け入れた後も、文化的にイスラム帝国を発展させたのはペルシャ人だという自負もあり、アラブに対するプライドの高さにもつながるけれど、それは国内的には多分問題にならない。難しいのは、イスラム以前の栄光の部分。それを声高に語ることは、相対的にイスラムを軽視するように受けとる人がいて、宗教指導者達の神経に触るらしいのだ。
しかし、王は古代ペルシャ帝国の建国記念イヴェントを、各国首脳を招いて大々的に行った。なんとな~く、これが王朝崩壊の直接的な始まりのような気がする。

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by telescopio | 2008-05-10 14:07 | 読書(洋書)