下手の横好き語学学習日記


by telescopio

カテゴリ:読書( 64 )

アラブ動乱関係本

何か世間を驚かすような事件の後は、玉石混交の解説本がわーっと本屋に並ぶのが普通だけど、一連のアラブ動乱関係はなかなか出てこない。
識者の間でも予想外だったようだし、現在進行形すぎで先の予測ができず、そのジャンルで一定のポジションにある人はあまり大きく予測を外したくないだろうし...という感じだろうか。
少し出そろってきたところで、とりあえず感想を。

d0018759_18483057.jpgまずは何じゃコリャ系。
『55分で中東の激変の「なぜ?」がわかる本』。タイトルもひどいけど中身も負けていない。
まず紙面がスカスカ。すごく急いで作った感ありあり。そして各国の現況みたいなのをザザーッと書いてあるけど、あまりに基本的なことすぎて、このレベルのことを知らない人が今のアラブ情勢に関心を持つことはあり得ないという仕上がり。職場等で軽い話題にのぼったとき、シリアとリビアの違いも判らなくて恥をかいた人が間に合わせに読むとかならいいかも。

d0018759_18481485.jpg次も似た感じだけど...。
『ニュースがわかる中東・アフリカの紛争地図』。
これは上記よりはデータがいくらか充実してるかな。近年あまり話題にならない西サハラ、ソマリア、エチオピアなどの他、中国や北朝鮮情勢にふれる部分があったり、ムスリム同胞団の系統図なども盛り込み、間に合わせ感は低い。
しかしこの表紙はなんとかならなかったのか。

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by telescopio | 2011-07-24 19:47 | 読書

ミトコンドリア・イヴ

d0018759_0401364.jpgこれは、前から気になっていた本。
『イヴの7人の娘たち』
著者はオックスフォードの人で、ここでいう「7人の娘」というのは、現在のヨーロッパ人の母系先祖となる7人の女性のことである。
実はちょっぴり原書で読んでみたい思いがあり、邦訳を読むには覚悟というか決意が必要だったのだけど、日本語でも難しい、遺伝関連の用語を、辞書をひきひき読む苦労を思い、ついに妥協した。

さて。
世間で言われる「人類のDNAをたどっていくと、アフリカの一人の女性にたどりつく」という説は、かなりの誤解を招いている。
つまり、たった一人の女性から全ての人類が生まれたかのように聞こえるが、これは、そういうことではない。
この女性と同時代に生きた女性は複数いて、彼女(ミトコンドリア・イヴ)がたった一人の女性だったのではない。ただ、その時代から現在に至る間に、他の女性に由来するミトコンドリアは途絶えてしまったという、ただそれだけのことである。
ミトコンドリアのDNAというのは、母から娘へ、つまり女系を通じてのみ、受け継がれる。
ミトコンドリア・イヴに娘と息子がいたとして、息子は彼女のミトコンドリアDNAをもらってはいるが、それを彼の子孫に渡すことはできない。つまり、男子しか次の世代を残さなかった場合、母のミトコンドリアDNAはそこで途絶えることになる。が、すべての遺伝子が途切れたわけではない。

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by telescopio | 2010-11-21 01:29 | 読書

最近読んだ本

d0018759_23272341.jpg久しぶりにロンドン物を呼んだ。
林望を筆頭に、ロンドン&英国関係のエッセイを好んで読んだ時期もあったのだけど、いつの間にやら、特にキッカケがあったわけでもなく、読まなくなっていた。旅先としての欧州への関心の、相対的な薄れ(欧州に興味をなくしたのではなく、他にさらに興味を引かれる所が出てきた)と連動していたかもしれない。
で、今回読んだ『ロンドンはやめられない』は、『おしゃべりなイギリス』の文庫化にあたり、改題したもの。ロンドンが舞台ではあるけれども、どちらかというと、いわゆる”駐妻”の実態レポ、というのに近いかもしれない。著者自身、駐妻としてロンドンに15年暮らし、夫の駐在が終わってからも、二人の子どもが英国に残ったことから、日本とロンドンを半々に行き来する生活をしているそうで、これはなかなか興味深い。
英国に関する軽いエッセイは、林望、マークス寿子、井形慶子といった絶賛系と、それらに待ったをかける感じの高尾慶子(「イギリス人はおかしい」の著者)、どちらかというと高尾さんよりの(しかし高尾さんからはバッサリ切られていた)林信吾のような「そんなに良い面ばかりじゃないぞ」系に割と分かれる傾向にある。
英国というのは、日本では長らく漠然と良いイメージを持たれていた分、これだけ海外に行く人が増え、特にロンドンは在住者も多いので、実態は違うぞ、美化されすぎ、という声が出てくるのは、ある意味当然か。
この本は、その点割と冷静というか、ベタ褒めもしないし必要以上のとんがった批判もなし。英国みたいな階級社会ではつきあう層によって印象も違うし、という部分も含みつつ、ロンドンに期間限定で暮らす日本人の右往左往を面白おかしく書いている。

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by telescopio | 2010-09-13 00:30 | 読書

文字と言葉

d0018759_14122731.jpg表紙の絵が可愛いのにだまされて(?)軽い気持ちで読み始めた『文字の歴史』
すみません、とっても真面目な本でした。
いや、ふざけた本だろうと思ってたわけじゃなくて(どんな本だ)もうちょっと軽い語学エッセイ的なものをイメージしてたんですね、漠然と。
そしてこれ、翻訳もので、原題は『A History of Writing』。つまり、文字に限定した話ではなく、表記そのものの歴史について書かれた本だった。
面白いか面白くないか、と聞かれれば面白いのだが、最低限、一般教養レベルの言語学の知識がないと、かなり難しいと思う。
そこをクリアしたとして、日本人的に面白いのは、やはり東アジアの文字の説明だろう(知らない文字のことを説明されてもイメージできないからね)。
中国語のラテン・アルファベット表記(ウェード式からピンインへの転換にもふれている)、韓国やベトナムが漢字から表音文字に変わった経緯などの流れから、日本語もそうなるかというと、日本人は別に不自由を感じていない、という話はまったくその通りだと思う。
この著者は英語が母語だけれど、幼少時に沖縄に住んだことがあり、日本語の知識がある。そして日本語について「これまで地球上に存在した文字のなかで最も複雑な文字によって表記される」と書いている。もちろんひらがな、カタカナ、漢字の3つの文字体系併用システムのことを言っているのだけど、さらに踏み込んで「日本文字の複雑さは日本社会の複雑さそのものを反映している」とまで...そりゃフライングでしょ(笑)。
同じ著者で『ことばの歴史』という本もあるけど、まとまった時間のあるときじゃないと読めないかも。

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by telescopio | 2010-08-29 15:58 | 読書

最近読んだ本(旅系)

d0018759_23505234.jpg仕事が忙しかった間、なかなか本を読む時間がとれず、トギレトギレでも読める軽いエッセイを常に携帯していたんだけど、ようやくまとめて読めるようになったので、一気に。
まず、ナオト・インティライミとかいう人の『世界よ踊れ』
えーと、この人は一応ミュージシャン、なのか?まったく知らないんだけど、一応メジャーデビューもしているらしい。彼があちこちで子どもとサッカーをしたり、ライブで飛び入りで歌ったり、ラジオに出演したりしながら世界中を旅した、まあ、旅日記かな、これは。
アラファトさんと話をして歌を聞いてもらったり、かなり極端な体験もしていて、それなりに面白いのだけど、まずそもそも感覚が違いすぎて「こういう人もいるのか」というオドロキが先に立つ。
だいたい私は、たいていのスポーツを難なくこなすような人の気持ちは、一生判らないし(^_^;)こういう目立つのが好きな人の気持ちも判らないと思う。人前に出るの、大嫌い。
そして、ときどき深い洞察があったり、体育会的に健全な意見を述べたり、根はけっこう真面目な人だと思うけど、そして、おちゃらけてあえて軽いノリではしゃいで書いてる部分もあると思うけど、うーん、これは...この人は...軽~く二極性障害の気があるのでは...人に迷惑かけてないからいいけど。大丈夫だと思うけど、間違って中南米あたりでクスリに手を出したりしたら、間違いなくこの人は生き地獄に落ちると思うので、道を誤らないでほしい。

d0018759_0221100.jpg次は自転車旅行の本で『いちばん危険なトイレといちばんの星空』
より旅行記らしい『行かずに死ねるか!』も、ざっと立ち読みしたけど(コラ)、こっちの方が私には面白かった。いろんなテーマで彼が回った中でのベスト3をあげていて(食べ物が美味しい、マズイ、美人が多い、頭にくる国境、孤独な場所...)時系列じゃないところが、かえって読みやすい。読みながら自分のベスト3をついつい考えてしまうので、なかなか進まないけれど、それも読書の楽しみだし。
文体も、読みやすいけれども落ち着きがあって、ナオトさんのと比べると全然疲れない(^_^;)。

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by telescopio | 2010-08-24 00:43 | 読書

キリル文字

d0018759_23364725.jpgタイトルに難ありだけど、前から気になっていた『ニューエクスプレス・スペシャル ヨーロッパのおもしろ言語』
買っても仕方ないでしょ、と自分に言い聞かせていたのだが、7月ずいぶん働いたし、勢いで買ってしまった。
何の勢いかというと、久しぶりに黒田龍之助の本を数冊読んだ勢い。

話はさかのぼってロシア出張の前、いろいろと準備をしていたときのこと。
係の一人が「それにしても、ロシア語の文字ってハンパですね。ハングルくらいワケ判らなかったら記号にしか見えないけど、普通のアルファベットに知らない字が混じってて落ち着かない」とキリル文字を見て言った。
まあ、ハンパっちゅーのもこっちの勝手な感想だけど、判らなくもない...と思っていたら、上司が「なんでこういう文字になったか知ってる?」と意外なことを言った。
なんでこういう文字になったか?...って、どういう意味だろう...と首を傾げてる間に上司が言うには。
「昔、ロシア人が文字を学びにイギリスに行って、その帰りに船が難破して、書き留めたものが流れてしまって、助かった人たちが、こうだったかな、ああだったかな、と思い出しながら書いたから裏返しだったり、順番もグチャグチャだったりなんだよ」
ええ~~?!
ちょっと待て!

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by telescopio | 2010-08-18 00:39 | 読書

ガイドブック遍歴

d0018759_027566.jpg「地球の歩き方」のダイヤモンド社の新シリーズ「aruco」
昭文社の「ことりっぷ」シリーズに似た、小ぶりで可愛らしい、はっきりと女性を対象にしたつくり。
しかしそこは、歩き方。
第1回配本は、台北、パリ、ソウルと、このサイズのガイドブックとして判りやすい旅先だったけれど、第2回はいきなり、インドとトルコ。
インド?!
中身を見ると、当然全土を網羅できるはずもなく、基本は北部の有名どころ。そりゃそうだ。
初回の台北、パリ、ソウルに関して言えば、内容は「地球の歩き方MOOK」に近く、ショッピングネタ(ただしブランドではなくローカル色を感じる雑貨等)や食べ歩きネタが中心。
違うシリーズとはいえ、海外取材を伴うわけで、このご時勢、一度に済ませてることも多いと推察する。
d0018759_0344214.jpgその意味では、これも同じダイヤモンド社の「地球の歩き方GEM STONE」のシリーズで『イスタンブール路地裏散歩』も最近出たので、同時取材か?とか思ったり。
ただ、このイスタンブールの方はかなり良い感じで、見たらすごく欲しくなった。
このシリーズはガイドブックと紀行文の間くらいの感じで、ひとつ間違うと、これだけで旅行するには情報がたりず、かといって読み物としては文章が散漫という、「帯に短したすきに流し」になってしまうんだけど、今回のイスタンブールは良い意味で両方の間だと思う。ちゃんと通して読みたいし、イスタンブールに行くなら持って行きたい。

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by telescopio | 2010-04-06 01:21 | 読書

最近読んだ本

d0018759_13484024.jpg少し前に大ヒットしたコミックエッセイ『日本人の知らない日本語』の2巻が出た。
日本語教師を主人公として、外国人学生の日本語や交流の様子などを描いたもので、おそらく長年の経験の中から、面白いエピソードを集めて、笑えるように編集したんだと思う。
日本語教師といってもいろいろあるけど、この漫画の先生は、いわゆる「日本語学校」の先生のようだ(大学などで、正規の留学生に教える先生だと、出てくるエピソードはまた違う)。
外国語学習に際し、母語によって間違いの傾向というのはあるし、なんとなく国民性みたいなものも感じられる場面てけっこうあるんだと思うけど、そこは漫画なので、多少の誇張というか「あ~、そうかも」「うんうん、ありそう」と思えるように判りやすく描かれている。
たとえば、美形のフランス人男子学生(オタク)が構内で話題になり、教室をのぞきにくる女子学生が増えた、というエピソードがあって、そのとき、見られる側の男子学生の反応が国で違ったという。当のフランス人は「我関せず」、中国人は突然真面目に勉強しだし、イタリア人は自分がかっこよく見える角度(教室のドアから見て)で座ったと。ま、イタリア人はいかにもって感じ(笑)。中国人はそういうとき、真面目さをアピールするんですかね?私はよく知りませんが。
あと「バイト先で日本人から”尊敬語を教えて”と言われたんですが」と言う学生に、先生が「まず、尊敬語と受身は同じ活用ですよ、と教えてあげたら?」とアドバイスすると、次に会ったときその学生は「”受身って何?”と聞かれました」と言うエピソードも印象的だった。さもありなん。
でもその人、英語の授業はどうしてたんだろうね。

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by telescopio | 2010-03-07 15:12 | 読書

最近読んだ本

d0018759_0375775.jpg同じタイトルが続いて我ながら呆れるけど、わざわざタイトル考えるのも無駄な気がするので、まあいいとして。
『世界ぐるっとほろ酔い紀行』
以前紹介した『世界ぐるっと朝食紀行』と同じ著者で、今度はタイトルどおり、世界中のアルコール体験。
この人、ほんっとにお酒が好きなんだな...朝食紀行よりはるかに自由でのびのびと楽しそうな筆致だし、読んでるだけで酔いそうなくらい、とにかく飲む。すごい。絶対真似できない。
そして世界中にいる、正真正銘の酒好き。恐ろしい(笑)。
ちなみに私は、お酒は好きだけどほとんど飲めない。パッチテストをすると面白いくらい真っ赤になる、いわゆるアルコール分解酵素がないタイプ。つまり永遠のヘタの横好きである。アルコール依存に陥る可能性が極めて低い点だけはありがたいが、本当は浴びるくらい飲んでみたい...と常々思っていたけど、いやはや、ここまで飲まなくてもいいや(笑)。

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by telescopio | 2010-02-11 01:19 | 読書

最近読んだ本

d0018759_23501897.jpg年末の旅行に持っていったのは『世界でいちばん美しい物語』
タイトルは”物語”だけど、内容は科学者とのインタビュー形式で、宇宙、生命、人類の誕生について、一般人にも判りやすく解説した、一種の科学エッセイみたいな本。原著はフランス語。
生命の誕生に関して、おおっと思ったのは、以前は地球上の生命は海の中で誕生したと考えられていたけれど、今は違う説が有力だ、ということ。私なんかまさに、海の中で生まれたと教えられた世代である。今は学校では違う説を教えているのだろうか?
その説とは、干潟や沼地など、昼は乾燥して暑く、夜は湿って冷たい場所で生まれた、というもの。ひらたくいうと、粘土の中で最初の”自然に結合する塩基”が形成されたらしい。ここでインタビュアーは、世界各地の神話で、粘土から人間が造られたというエピソードが見られることを指摘する。確かにそうかも。ふむ...。
そして、以前紹介した、『宇宙創生』でも、今ある宇宙は、我々生命体は、偶然の産物か?というテーマが語られていたけど、やはりこの本でもそれに触れている。
生命誕生までの歴史を振り返り「今我々がこうしていることは、なんという偶然の重なり合いでしょう」と感嘆するインタビュアーに答えて、科学者の意見はシンプルだ。
それはまったく違う。多くの偶然が重なって今につながったように見えるのは、それが我々自身の歴史だからで、その影に無数の、生命を生み出すことなく終わった太陽系があり、発展できなかった分子の連鎖があり、進化の競争に勝てなかった生物があるのだ、と。
深いね。

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by telescopio | 2010-01-21 00:30 | 読書