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下手の横好き語学学習日記


by telescopio

動詞の否定...

こいつはなかなかクセモノ。

アラビア語の動詞には、時制(現在とか過去とか)はなく、相(完了か未完了か)がある、と前にも書いた。
その動詞の否定のしかたを習ったのだが。

まず、現在(未完了形が、意味上は現在や未来になる)の否定。
「彼は書かない」なら「yaktubu(彼は書く)」の前に、否定辞「laa」をつけて、laa yaktubu。要は、未完了形の動詞を人称変化させ、その前にラーをつけるだけ。簡単。
次に、過去(完了形)の否定。
これは2種類あって、簡単なのは、完了形の動詞を人称変化させて、その前に否定辞「maa」をつける言い方。「彼は書かなかった」なら「彼は書いた」が「kataba」だから、maa kataba。
これも人称変化さえ覚えていれば、別にどうということはない。

問題はもう一つの方。



未完了形(意味的には現在か未来ですよ、繰り返しますが)の短形という形の前に、否定辞「lam」をつける。「yaktub」は「彼は書く(yaktubu)」の短形なのに、これに「lam」がついて lam yaktub となると「彼は書かなかった」の意味になる。
なんで?
歴史に「もし」なし、語学に「何故」なし、ではあるのだが。
しかもこちらの言い方の方が、あらたまった感じがするらしい。むむむ。

さらに未来の否定。
未完了形の接続形という形の前に、否定辞「lan」をつける。
「彼は書かないだろう」なら「lan yaktuba」。
未完了形というのは、意味の上では現在から未来をカバーするので、これ自体は特に不思議ではない。
しかし、未完了形の前に接頭辞「sa」をつけて、特に未来のことだと強調する言い方があって、例えば「彼は書くだろう」だと「sayaktubu」になるんだけど、これは肯定のときにしか使わず、否定辞をつけて未来のことを否定する、という言い方はないそうだ。
...ふーん...。

動詞のない文(名詞文と前置詞文)の否定には、否定を意味する動詞を人称変化させて使うし(しかも現在の話なのに、動詞は完了形の活用)なんだか妙チキリンな、アラビア語の否定であった。
by telescopio | 2005-06-22 23:30 | アラビア語