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下手の横好き語学学習日記


by telescopio

雑誌2種

雑誌2種_d0018759_22421726.jpg「旅という名の女性誌」というよく判らないサブタイトルの雑誌『旅』。廃刊になって復刊したのか、かなり大きなリニューアルだったのか、よく判らない変化が何度かあって、今に至っているが、今回の特集は「エーゲ海」。夏だからねぇ。かといって今ハワイじゃ”猫も杓子も”だし、ま、いいとこでしょうか。

ギリシャは、何度か行こうと計画したことはあるけど、実際にはまだ未踏の地だ。欧州では「なんとか行っておきたい」国のひとつだし(他にはアイルランドかな)やはりフォトジェニックなので、写真の多い雑誌の特集だと見逃せない。
ページの構成は、昔のフィガロジャポンの旅特集の号(今のフィガロジャポン・ボヤージュの前身)に似ている。小見出しのつけ方や、写真の構図、ホテルの部屋の写し方とか「見たことある」と思うものが多い。
景色については、これだけたくさん写真が出回ってる国だから、お約束のベストポジションがあるのも仕方ないし、それを載せないと読者を納得させられないのかも、と思うけど(それにしても、サントリーニの一番のウリ、イアのサンセットがブレブレ。写真の美しさではフィガロに完全に負けている。似ているからこそアラが目立つのよ)、ホテルやレストランはどうかなぁ。
偶然だとしても、ちょっと真似っこに見えてしまうから、やはり他の雑誌をよく研究して、似た雰囲気にならないよう、気をつけた方がいいんじゃないだろうか。こういうの好きな人は全部買うし、スクラップしてる人だっているから(私もです)すぐ比べられちゃうよ。
...という点を除けば、眺めて楽しい号ではある。
やっぱりギリシャいいなぁ。行きたいなぁ。
あと、後ろの方に載ってた「飛騨古川」という小さな町がとても魅力的だった。
母を連れて行ってみたい。




雑誌2種_d0018759_22552018.jpg次は謎の「文芸春秋 特別版」。
何が謎って、全然謎じゃないんだけど、「私が愛する日本」というテーマ。
今、このテーマであえて特別版を出すというのは、アレだよね。アレを意識してるんだよね。
別にそれがどうこうじゃなく、へ~、そうなんだ、こういうとき明確にメッセージ出す会社なんだ、というだけですが。
内容は、”文化人”のいろいろな意見も載ってるけど、読んで面白いのは「外国人52人が語る 私は日本のここが好き!」という部分。かなりのボリュームだし、52人の国籍もさまざまで読み応えあり。
少し前に、ユースホステルの本の記事でも書いたけど、日本人は”外国人の見た日本”というテーマに敏感だから、こういう内容って話題になりやすいと思う。
中には「好きだからこそ、こういう所は残念に思う」とか苦言を呈している人もいるけど、多くはけっこう毛だらけなコメント。そしてもちろん「日本なんか嫌いだ」という趣旨のものはない。タイトルに反するからね。
そんなのばっかり集めて何か判るのかというと、うん、判らなくはないんじゃないかな。
よく読むと、多くの人が指摘している日本の良さには共通するものが多く、それは例えば、勤勉で誠実であること、というようなことなんだけど、どんなものごとにも一長一短があるわけだから、それだって裏を返せば融通の利かなさだったりもするはずで、つまりはそういう性質を”勤勉で誠実”と良い方に捕らえられる人だけが、日本を好きになれる、ということかもしれない。
それはその人がオプティミストだとかじゃなく、規則にしたがってコツコツやることを好む人だということ。私はそういうの好きじゃないのよね、もっと柔軟にやりたいわ、という人は、同じものを見ても「この石頭め」と思うだろう。
そしてその結果、そういう真面目さを好む外国人だけがこの国に残り、ますますそういう傾向の強い国になっていく...のかな。
そして一方、エネルギッシュな町、というのはせわしない町でもあり、ゆったりと流れる時間は退屈でもあり、他人に干渉しないのは都会の冷たさ、暖かい近所づきあいは息苦しい監視社会にもなりうるわけだよね。
それをどちら側に受け止めて好きだ嫌いだというかは、あくまでその人の感性を知る手がかりでしかなく、町や国の評価とは違う気がする(その町がエネルギッシュで魅力的なのではなく、そう感じる人にとって、活動性の高さは好ましいことである、というだけ)だから、他の国の人はそんなもの気にしないのだ、ということになると、すごく関心持ってる私達が、とってもバカみたいだけど。
それはそれとして、この外国人の意見の部分だけでも、読むと面白いと思う。
「日本のこういうところがすごい」と言われれば、その価値判断は別として、少なくともその人の母国はそうではないということだしね(中には、こういう良い面は日本と私の祖国の英国にしかない、という人もいたが)。
普通の号より大きくて本棚に並べるとき困るかもしれないので、なんなら書店でパラパラと...って大きい声で言っちゃいけませんね(笑)。
いえ私は買いましたよ、ほんとに。
by telescopio | 2006-07-15 23:28 | 読書