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下手の横好き語学学習日記


by telescopio

連休の読書(実に投げやりなタイトル)

連休の読書(実に投げやりなタイトル)_d0018759_2350026.jpg久々に4日間も休みで家にいたので(4~5年ぶりだと思う)ゆっくり本でも読むかと思い、最初はまとまった休みがないと読みにくい長編を...と『三国志』に手をつけてみたものの、イマヒトツ乗れず(面白くないわけではないが)テキトーに文庫の新刊に着手。
余談ながら...私は小説(というか、旅行記以外の読物)は文庫しか買わないので、ベストセラーを読むのは数年遅れです。なので、この人何を今更?とか言わないでくださいね。いや、それこそ今更ないいわけだけど。
で、恩田陸の『Q&A』
これ、怖いよー。
私はこの人のミステリー、全部読んだわけじゃないのでアレだけど、実はあんまり好きじゃない。しかしこれはすごいと思った。すごいけど、怖い。夜中に一人で読むと、だんだん部屋の隅が暗くなってくるような気がします、ってホラーじゃないんだけど。
難点を言えば、その終わりはないだろうってのがひとつ。
すべてがQ&A形式で進む連作短編のような構成なんだけど、それが最後かい!って感じの終わり。あくまで私にとっては、ってことですが。
それと、誰もが思っただろうけど、核心部分が闇の中というのはどうも...。
途中でやめたら怖いから、眠いけどなんとか最後まで!と思って読んで、結局真相がウヤムヤなんてのは、ヒジョーに迷惑です。怖くて寝付けないじゃないか!
現実社会には、結局どうなったの?という釈然としない事件って多いけど、だからリアルだとも、だからこそ不気味ともいえるけど、私はだからこそ小説の中くらい、すっきり犯人を、悪者を捕まえて反省させてもらいたいと思うクチだ。
なので、怖い話がキライな人、すっきりしないミステリーがイヤな人にはオススメしません。



連休の読書(実に投げやりなタイトル)_d0018759_023137.jpg続いて『バベルの謎』
文庫化にあたって、旧仮名遣いをすべて新仮名遣いに改めた、というくらい古い本で、それを今さら文庫化するのは、あれかい、映画関連で間違って買う人狙いかい...ってことは、さすがにないか。
ええと、これは旧約聖書の考証で、宗教的な見地とは無縁の、大変理屈っぽい本です。書いた方が哲学畑の方と知れば、さもありなんという感じ。
バベルの塔の逸話を書いた”作者”の意図を探るという内容なので、興味のない方には、恐ろしく退屈な話だと思うし、ユダヤ教、キリスト教(もしかしたらイスラム教も)の熱心な信者の方には、不快な内容かも。
でも、神話と聖典の関係に興味のある人なら、かなり面白い(理屈っぽく、やや陶酔気味の文体には疲れるけど)。
旧約には周知のとおり、メソポタミア地方の伝承の影響を受けたと思われるエピソードが多いけれど(ノアの洪水が代表例か)、旧約の”作者”を想定し、彼が数多い伝承から、創世記に何をどう収受選択していったか、という視点は、私には興味深かった。

連休の読書(実に投げやりなタイトル)_d0018759_0112826.jpgお次は、岸本葉子さん翻訳による『ファティマの幸運』
変なタイトル~、と思うけど、原題が『Fatima's good fortune』だから仕方がない。
チュニジアのジェルバ島からパリに渡った”不幸な女性”ファティマの物語で、原作者はなぜかNY出身のアメリカ人。
岸本さんの翻訳も珍しいし、チュニジア女性が主人公というのにも惹かれて読んだら、タイトルに反して(?)けっこう面白かった。読後感も爽やかで、ほんのり暖かい気持ちになれる。岸本さんが、後書で”大人のファンタジー”と評しているのも、素直に納得。
チュニジア人(あるいはマグレブの人)に読んでもらって、感想を聞きたい気がする。

もちろん4日も休みがあって、3冊しか読んでないわけじゃないんだけど、感想はこのくらいで。
そもそも、2日の夜、私はフランス語のレッスンの後、相方のSと「明日休みだしね~」とのんびり街でごはんを食べていて、終電を逃すというアホーな真似をした。
小市民で貧乏性な私は、終電を逃してタクシーで帰るなら、本当は3時とかじゃないと気がすまない。終電が出て1時間以内にタクシーに乗るなんて、小市民のプライドが許さない(?)。
なので、一瞬...いや10分くらい、”漫画喫茶で始発を待つ”という案に惹かれ、大いに迷ったが、取り立てて読みたい漫画もないし、泣く泣くタクシーで帰宅した。ああ悔しい。
ところが、一度思いついてしまうと、久しぶりに漫画喫茶に行きたくなってしまった(マッサージチェアに座りたかったというのもあるが)。
なので3日、行ってみた。混んでてびっくりした。皆さん、不健全ですね(笑)。
それはそうとこの際、長い漫画が読みたかったのだが、『王家の紋章』は最新刊まで読み終え、二度読みたいような代物でもないし(失礼)、『ガラスの仮面』も、完結してからでけっこうです、という気分。
はてさて...と考えていて、目にとまったのが『のだめカンタービレ』
うわぁ、これこそ今更だなぁ!ハズカシー!
でも面白いって聞くし...と読み始め、3時間パックの時間が切れた時点で8巻まで。もちろん翌日も行き、17巻まで読み終えました。
確かにこれは面白い!
クラシックブームに火をつけた...という評価は謎だけど、シリアスでウジウジやろうと思えばやれるエピソード満載なのに、3ページとシリアスタッチが続かないのも面白いし、性善説というか、本気でイヤなヤツが出てこないのもポイントか。ちょっとイジワルだったりヒネてたりしても、話してみれば、なかなかいいヤツ...ってのがお約束のよう。だからこそ、コメディを貫けるのかな。
いくら耳が良くたって、それでフランス語会話に不自由しなくなるかよ!
てか、そんなんでどうやって音大入ったんだよ!
とかそういうのは、いいっこなしだわね。
そもそも漫画だし、王家に比べりゃ全然リアルだし!(笑)
by telescopio | 2007-05-07 00:35 | 読書