下手の横好き語学学習日記


by telescopio

ラマダンと暦

今年もラマダンが巡ってきました。
うっかり友達に「ラマダンだね」と言ったら、解説を求められたので、ちょっとがんばって書いてみます。
いっときますが、私はイスラム教徒でも理系でもないので、正確さは保証できません。

ラマダンというのは、日本の旧暦でいう卯月、如月、弥生...のような月の名前で、イスラム暦の9番目の月にあたります。
大雑把にいって、イスラム教徒はラマダン月の1ヶ月間、日の出ている間の飲食を絶ちます。そしてイスラム暦は太陰暦(月の運行に基づく暦)なので、太陽暦(太陽の運行に基づく暦)である”西暦”より1年が約11日短く、毎年ラマダン月が11日ずつ前にずれていきます。つまり、去年のラマダンは9月24日からでしたが、今年は13日、来年は多分2日、というように。
これから数年は、ラマダン月が夏になるので、日が長いため断食も長時間に渡り、暑くても水が飲めないので、大変だろうと思います。

さて、日本に住んでいるイスラム教徒の方は、明日(13日)から日中の断食を行います(やらない人もいるだろうけど)。
イスラムでは新月が月の始まりなので、ラマダン月も新月を確認したところから始まります。
ん?
新月は昨日(11日)だったのでは?なんで明日から?
いや、そもそも新月の”確認”ってどういうことだ?



はい、そうですね。
新月というのは見えません。見えないものは確認できません。
では、ここでいう”新月”とは何か?
天文学的には、月齢0=新月です。
(ただし、満月を十五夜といいますが、月齢15とは限りません)
天文学でいう新月とは、月の太陽に照らされている面が、地球から見てちょうど裏側にあたるために(逆に言えば地球から見える側にまったく太陽の光が当たっていないために)月の姿が完全に見えなくなる状態です。
一方、イスラムでいう新月とは、まったく見えなくなった後に、少しでも(光が)見えた最初の月のことです。細い細い月の光が見えたら、新月を”確認”した、ということになり、日本の旧暦でいうと、だいたい2日になるようです。三日月より細いってことですね。
で、今日がその旧暦2日にあたり、イスラムでは厳密には日没から1日が始まるので、今日の日没からラマダン月に入ったことになります。
ただ、夜は食べていいので、実際に飲食を絶つのは明日の日の出から...というわけで、月齢カレンダーなんかにある新月(11日でした)とは、2日もズレているように感じるんですね。

ラマダンからそれますが、ちょっと暦の話。
時間を区切る単位として、感覚的には、地球が一回自転する期間(たとえば日の出から次の日の出まで)を「一日」、月が地球の周りを一周する期間(たとえば満月から次の満月まで)を「一ヶ月」、地球が太陽の周りを一周する期間(たとえば春分の日から次の春分の日まで)を「一年」というのが、おそらく自然なんだろうと思います。
ただそれぞれは互いに関係がないので、どれかひとつの基準を貫くと、季節と月(一月、二月の月)の関係が対応しなくなったり、日付と月齢が対応しなくなったり、一ヶ月の日数がバラバラになったり、何らかの不都合(というほどでもないけど、辻褄の合わなさ)が生じます。
太陽暦は、8月が夏になったり冬になったりしない方を優先し、太陰暦は、十五夜(15日の夜)が新月になったり満月になったりしない方を優先したといえそうです。
日本の旧暦は、両方を考慮したので太陰太陽暦といいます。基本を太陰暦の方に置いたので季節のズレが生じ(月の公転周期は約29.5日なので、29日と30日の月を繰り返して12ヶ月にすると1年は354日になり、地球の公転周期の約365.25日より11日短くなる。これを3年続けると33日、つまり季節が1ヶ月ずれることになる)3年に一度閏月(いってみれば13月)をおいて調整しました。
今の日本の暦はグレゴリオ暦といって太陽暦の一種ですが、1年は12ヶ月という原則を曲げず、かつ一月の長さがあまりバラバラにならないようにしたものです。
イスラム暦が純粋な太陰暦であるというのは、季節がズレても閏月をおかないという意味で、閏月をおかないのは、コーランに「1年は12ヶ月」と書いてあるからです。
農耕民族にとっては季節はとても大事なもので、”4月は田植え”とかいうのが狂うのは好ましくないですが、遊牧が基本でいつも暑いアラビア半島ではそうでもなかった、と言えるかもしれません。

...とかなんとか書いてるうちに、日付が変ってしまった。
明日とか今日とかいう表現がおかしくなってるけど、私の感覚では、朝起きてから寝るまでが”今日”なので、この記事で言う”今日”は12日です。そのつもりで読んでください(笑)。
そしたら寝てる間はいつなのさ、と言われても困るけど。
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by telescopio | 2007-09-13 00:59 | 雑記